アーツカレッジヨコハマで開催された学内ゲームジャムの優勝チームに特別インタビュー

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NPO法人IGDA日本が教育課程編成委員を派遣しているアーツカレッジヨコハマ(神奈川県横浜市)のゲームクリエイター学科主催で、1125日から27日まで「アーツゲームジャム」が開催されました。ゲームジャムは研修施設の湘南国際村センターで行われ、2年生18名が5チームに分かれ、45時間にわたってゲーム開発に挑戦。シューティングゲーム「Meteo Crush」を制作したチーム(小林遼平君・高木颯人君・村上達彦君)が優秀賞に輝きました。

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左から小林君・高木君・村上君
ゲーム画面
Meteo Crush

ゲーム内容:宇宙人が地球侵略のため、空から隕石を落としたり、UFOで人をさらったりしはじめた。プレイヤーは戦闘機を操って隕石やUFOを破壊し、時折UFOが落とす燃料を人々に回収してもらいながらエネルギーをためていく。エネルギーが充填されれば、ロケットが発射されてマザーシップが破壊され、ゲームクリアだ(要DirectXランタイムのインストール)

ゲームのダウンロードはこちら

ゲームクリエイター学科では3年生のカリキュラムをとっており、毎年11月に2年生を対象とする学内ゲームジャムを開催しています。これは2年生と3年生の前期に、東京ゲームショウで毎年開催される「日本ゲーム大賞」にむけて応募作品が制作されるため。2年生チームで日本ゲーム大賞に挑戦し、その反省を生かして学内ゲームジャムに参加。再び3年生で応募するというサイクルとなっています。

3回目となる本会では、「空を見上げる」というテーマでゲームジャムを開催。IGDA日本では優秀賞を記念してチームインタビューを行いました。

ーー自己紹介をお願いします。

小林:ゲームクリエイター学科プランナーコースの小林遼平です。チームリーダーに加えて、ビジュアルやサウンドなど、プログラム以外のほぼすべてを担当しました。

高木:プログラムコースの高木颯人です。敵キャラクターのUFOまわりをプログラムしました。ゲームはVisual Studioを使用して、C++で組んでいます。

村上:同じくプログラムコースの村上達彦です。UFO以外の部分や、ゲームの全体的な流れなどを担当しました。

ーーみなさん、これが初めてのゲームジャムなんですよね?

一堂:はい、そのとおりです。

ーーアーティストはいなかったのですね。

小林:本当はもう一人、ゲームCGグラフィックコースの学生が加わる予定でしたが、体調不良で休んでしまったので、自分が担当することになりました。

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ーーゲームジャムからは少し離れますが、それぞれ、好きな授業について教えてください。

小林:ゲームシナリオの授業が好きですね。題材にそってシナリオを1週間以内で創作するというものです。

高木:プログラム全般が好きですが、中でも今やっているJavaの授業が好きです。ゲームジャムはC++でしたが、授業で習ったファイル分けなどのスキルを活かすことができ、身になっていると実感しました。

村上:選択授業でゲームプロデュースに関する科目があり、仕様書や工程表の作り方を学びながら、福岡ゲームコンテスト向けの応募作品を制作しています。

ーー実際にゲームジャムを体験してみてどうでしたか?

村上:疲れましたね・・・。13時間くらいしか眠れませんでした。45時間という制限があるので、間に合わせるために必死でした。精神的にも肉体的にも辛かったです。

高木:疲れました。ただ、チームで1位になって、賞状がもらえたので、達成感がありました。

小林:僕らのチームは3人しかいなくて、一人あたりの作業量も他チームより多かったので、余計につかれましたね。ただ、1位がとれてよかったです。

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今回のテーマは写真で示された

ーーテーマを見た時、どのように思いましたか?

高木:これがホントにテーマなの? 冗談じゃないかって思いましたね(笑)

小林:最初は迷いました。ただ、みんなが上を見ているので、きっと空に何かがあるに違いない。そこから宇宙人が侵略してきて、撃退しながら燃料を集めていくという設定が浮かんできました。

村上:12時間くらいで企画が決まって、そこから先は早かったですね。最初の段階でゲーム画面も決まりましたし。

高木:写真に人がたくさん写っていたので、ゲームにも人を出して、UFOから守るような内容にしようと考えました。

小林:部屋の壁がすべてホワイトボードになっていたので、アイディアやメモの共有がしやすかったのが良かったですね。

SONY DSCーーゲームエンジンやミドルウェアなどは何か使いましたか?

高木:Unityという案もあったんですが、まだ勉強を始めたばかりだったので、1年生の頃から使っていて慣れているVisual Studio 2013にしました。学校の課題で使ったことのあるシューティングゲームのフレームワークがあったので、それを改造するような形で進めました。

村上:時間の制限が厳しかったので、慣れている環境の方が良いだろうと。

小林 グラフィックはフリー素材をネットで拾ってきて、それをPhotoshopで加工したり、組み合わせたりして作りました。BGMもフリー素材ですね。ただ効果音については、ファミコン風のサウンドが作れる「sfxr – sound effect generator」を使って自作しました。

ーーグラフィックがヘタウマ的なテイストですが、これは意識してですか?

小林 自分の趣味ですね(笑)。もともとスマホの「チャリ走」のように、シンプルなデザインのゲームが好きだったので、今回もわかりやすくて、色もあまり使わないように心がけました。

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ーーなるほど。他にも今回のゲームジャムで、事前に考えていたことはありますか?

高木:できるだけわかりやすいコードを書くように心がけました。あとは、お互いに話をちゃんとしたり、イメージを共有したり・・・。基本的なことばかりですけどね。

村上:とにかく、簡単な操作でわかりやすいゲームにした方が良いだろうなと思っていました。テーマを聞いて、シューティングゲームというアイディアが出てきて、過去に授業で使ったフレームワークもあって、これは良いんじゃないかと思いました。

ーー実際に作って見てどうでしたか? 苦労した点や、工夫した点などを教えて下さい。

高木:UFOまわりを作るのがおもしろそうだと思って手をあげたんですが、よくよくタスクを洗い出してみたら、「動き」「速度」「人をさらう」など、一番複雑だったんですよ。その一方でゲームの中核的な要素で、ゲームバランスにも直結するため、これが終わらないと絶対にゲームが完成しないじゃないですか。

ーーたしかに、そうですね。

高木:特にUFOが一番下まで降りてきて、地表の人をビームを放射して連れ去る演出は、かなり力を入れました。ただ、完成後の試遊を見ていると、みんなUFOが下まで来たところで、弾を撃って破壊しちゃうんですよね。あれだけ力を入れて、自分としてもけっこう気に入った動きができたのに、破壊されちゃうというのは切ないなあと思いました。

ーー力の配分を入れ間違えたわけだ(笑)

高木:そこは作ってみて、遊んでもらって、初めてわかったところでした。

村上:僕は高木君がやらないところを全部やりました。人の動きや、UIまわりや、最後にロケットが発進するところとか・・・。何回かバグりましたが(笑)

小林:僕はプランナーだったので、最初にゲームデザインが終わってしまうと、あまりやる仕事がなかったんですよ。二人から必用な素材を聞いて、ネットからフリー素材を集めてきて、加工して、渡して。正直、プログラムに比べればたいしたことはないですよね。あとは二人が寝過ぎないように監督する役割りでした。

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ーーもし時間に余裕があれば、どんな仕様を追加したかったですか?

小林:色の統一感がもっとできればよかったですね。あとは本とはクリアしてロケットが飛ぶときに、モノトーンライクだった画面がカラフルになって終わるような演出にしたかったんですよ。僕が自分でも絵が描けて、演出などができれば、可能だったかもしれませんが・・・。

高木:今は1ステージクリアで終わりですが、エンドレスモードを入れようというアイディもありました。そこは残念でしたね。

村上:全体的にもっと調整をしたかったですね。弾を撃つ速度や頻度、自機の移動スピードなどを調整すれば、もっとおもしろくなるはずなので。

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ーー今回のゲームジャムで学んだことは何ですか?

小林:もうちょっと自分自身に技術があればと思いました。ネットでフリー素材を集めて加工するだけではなく、自分でもタイトル画面を描いたり、簡単なプログラムが組めれば、もっと貢献できたはずですから。

高木:体力ですね。自分自身に「寝るな!」と言いたいです。気合いというか、体力というか・・・そこで限界を超えたいです。自分が投げ出したら完成しなかったわけですからね。やるしかないと。

村上:メリハリですね。作る時は作る、休むときは休む。30分でできる仕事でも、だらだら作業してしまって、1時間くらいかかったことがありました。だったら30分でも休んだ方が良かったなと。

ーー最後にメッセージをお願いします。

小林:ぜひダウンロードして、自分なりの制限をつけて遊んでみてください。

高木:UFOの演出を見て欲しいです。ただ攻撃するだけじゃなくて、一人くらいはUFOに人々をさらわせてみてください。

村上:ただクリアするだけなら比較的簡単ですが、1人も犠牲者を出さないようにクリアするのは結構難しいので、ぜひ挑戦してみてください。

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参加者一堂