日本ゲーム大賞2016アマチュア部門受賞作品「FACTRIAN」公開

日本ゲーム大賞2016アマチュア部門で優秀賞に輝いた「FACTRIAN」(古川貴士/名古屋工学院専門学校)が一般公開されました。スマートフォン&タブレット向けのゲームで、App StoreとGooglePlayで無料公開されています。

ゲームは最大4人まで対戦可能な固定画面のボードゲームで、自分の工場を相手の攻撃から守りつつ、他の工場を破壊することが目的です。

プレイヤーは「ロボットの移動」「ロボットの生産」「ベルトコンベアーの向き変更」から1ターンに最大2手までのアクションが可能です。アクション終了後は自動的に攻撃が行われ、ライフがゼロになった工場やロボットは排除されます。

1回のアクションでバッテリーが1減少し、バッテリーは毎ターンごとに2回復します。バッテリーを5貯めるとラッキーアイコンをタッチして、特殊アクションを繰り出せます。

特殊アクションは盤上の敵ロボットを一掃したり、自分の工場のライフを全回復するなど、強力なものばかり。ゲームの勝敗を決する重要な要素となっています。

テーマの「流れ」はベルトコンベアで表現されています。すべての移動を読み切るのは難しく、思いがけない動きをするロボットにプレイヤー自身が翻弄されることも。多人数での対戦プレイが盛り上がるタイトルです。

AppStore

GooglePlay

受賞風景

◆受賞者コメント

  • 名前 古川 貴士
  • 職分 プログラマー(個人制作のためグラフィッカーも兼ねる)
  • 良かった点 今回のテーマは「流れ」でした。テーマを掴んだうえでおもしろい企画を考えるのは、とても難しかったです。テーマをどう捉えて、どうゲーム内に反映するかというところを考え続け、なんと、3、4、5月を使ってしまいました。応募締め切りまで、のこり1ヶ月。私はあせりましたが、企画がなんとか固まり、実制作を開始することができました。そこで良かったのは、「開発のスピード感」です。私は今回、一人で開発を行うことに挑戦しました。だからこそ、自分のペースで開発できました。グループで、複数人で開発することも大切なことですが、一人で開発できるというのは、なにより自由ですし、考えたことを自分の思ったまま形にすることができます。その点において、私は「アリ」だと思っています。
  • 工夫した点 この短い開発の間で、一番時間をかけた工程は「テスト」です。ゲームとは、面白くなければいけません。感情をゆさぶるためのものであり、そうでなくてはおもしろくありません。ゲームのメイン部分のプログラムは、3日ほどで終わりました。そして、テストプレイを友人に何度もお願いし、バランス調整や、機能の足し引きをしていったのです。この工程がなければ、現在のクオリティには達してなかったと思います。協力してくれた、仲間に感謝しています。
  • 課題を残した点 課題は、「流れ」の表現が「ベルトコンベア」という超無難なものを選んでしまったことと、実制作にとりかかるまで、時間がかかりすぎたことです。原因は、企画書を作成し、おもしろさを確認するためにプロトを作成する、ということを何度も繰り返していたからです。つまりは、「企画を練るためのスタミナ」がなかったのです。私は「うーん、おもしろくない」→「ポイっ」と、すぐに練っていた企画を手放してしまっていました。今回の経験から、それが時間の無駄だったことに気づきました。今後、私はエンジニアですが、「考え抜く力」を身に着け、ゲームクリエイターとして、常に「おもしろさとは何か」と向き合って、これからも精進していきます。