CEDEC2018スカラーシップ体験レポート③ 湯浅賢悟

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CEDEC2018スカラーシップに参加させていただきました、明治大学総合数理学部先端メディアサイエンス学科三年の湯浅賢悟です。私は、大学では研究としてVRコンテンツの制作を行い、また、個人や仲間内でゲーム制作をしています。今回のスカラーシップに参加させていただき、私が学んだ内容について、スタジオツアーとCEDEC2018に分けてお話ししたいと思います。

スタジオツアーでは、ジープラさん、コロプラさん、サイバードさんに訪問させていただきました。それぞれのスタジオでは、会社の説明を聞く機会と社員の方々とお話をする機会を設けていただき、実際にゲーム会社の現場を知る良い経験になりました。3社を巡り、お話を聞かせていただいて、どんな職種であってもゲーム業界では、「常に学び続ける事」、「粘り強さ」、「コミュニケーション」の3つが大事なのだと感じました。また、ゲーム業界でも働き方改革が行われ始めていて、従来よりも働きやすい環境が整えられ始めていることも感じました。

CEDEC2018では、私がプランナー志望であったこともあり、ゲームデザイナー向けのセッションとここ数年ホットなAI関連のセッションを中心に見て回りました。

ゲームデザイナー向けのセッションで特に興味深かったのは「キャラクター・エクスペリエンスデザイン入門 ~FINAL FANTASY ⅩⅤの仲間たちに生命を与えるデザイン論とその応用~」でした。ゲームはキャラゲーであると割り切り、ゲーム内でメインキャラクターが関係する要素のデザインを行う役職を作ったというお話でした。その中に、カットシーンのメインキャラクターを見て感じとれる体験や、クエストで登場するメインキャラクターに関する体験を、それらのカットシーンやクエストの面白さに関係なく、ユーザーのキャラクター像が崩れないようにデザインしたという内容がありました。ユーザーがキャラクターに対して興味がなくなれば、いくら良いストーリーでもあっても、良いストーリーにならないことが理由としてあげられており、そのためにユーザーから見てキャラクター像が崩れないようにすることが大事な要素の一つだとされていました。お話を聞いて、良いゲームを作るには、横から見る人と縦から見る人が常にいる状況が重要なのではないかと思いました。

AI関連のセッションで特に興味深かったのは「逆転オセロニアにおけるAI活用 ~ゲーム運用における取り組みとノウハウ~」でした。ゲームデザイナーが今まで感覚で行っていたことを最近話題の技術でカバーするというのは大変興味深く、また、それを実例として説明をされていました。これからゲーム業界を目指す自分が何を今から学んでおくべきかを考えるきっかけになりました。

また、CEDEC2018の3日間とも、ゲーム開発関係者の方々と直接話す機会を設けていただき、私がゲーム業界に入るために何を考え、何をしてきたかを離すことが出来ました。お話をするうちに、私はゲーム業界に入ること自体がいつの間にか目的になってしまっていて、ゲーム業界に入って、何をして、どんなキャリアを積んでいくかについては、ほとんど何も考えられていないことが浮き彫りになりました。今まで、面接などで自身をアピールするときは、自身が習得しているゲーム開発に関係する浅いけれど少し幅広い技術を大きなポイントとしていて、これは、ゲームプランナーに必要そうだからアピールしていました。しかし、そうではなく、自分の技術がいかに稀有なもので、これからのゲーム業界の発展に貢献するものなのかをアピールする事が重要なのだと感じました。私がこれからしなければならないことが明確になり、入り口しか見えていなかったゲーム業界がその入り口の先で私が何をするべきかまで見えたような気がしました。

今回スカラーシップに参加させていただき、実際にゲーム業界で働く多くの方々とお話することで、今の業界の現状や今の自分に必要なことを知ることができました。大学では、ゲーム業界で働く方々と沢山お話ができる機会があまり無かったため、自分の考え方を一つ先のステップに進ませる、素晴らしいきっかけに出来ました。また、CEDEC2018のセッションは興味深い内容が多く、専門性をもって自身が取り組むべき分野を考えるうえで大きな参考になりました。

自身を見直すきっかけと一つ先へとステップアップするための原動力を与えてくださった、スカラーシップ制度には感謝しかありません。小野さんをはじめとするIGDA日本の方々、また、私とお話してくださったゲームクリエイターの皆様、本当にありがとうございました。