CEDECスカラーシップ体験レポート⑥ 加藤雅也

東京工芸大学芸術学部ゲーム学科3年の加藤雅也です。CEDECスカラーシップでのスタジオツアーとCEDECを含めた4日間は、本当に濃密で有意義な時間でした。その中で得られた経験や知識は、私にとってかけがえのないものばかりです。

スタジオツアーでは、ポリゴンマジック、コロプラ、サイバードの3社を訪問させていただきました。

はじめに訪問したポリゴンマジックでは、機能と感情について学びました。「プラットフォームは機能であり機能は無料に近づく。コンテンツは感情であり感情は長寿化が可能、だから私たちは感情を作る」という話を聞き、私がなぜゲーム業界を目指したのか、どんなゲームを作りたかったのかを再確認しました。

次に訪問したのはコロプラでは、企画書は完璧に作らないという話を聞きました。それは全部を一人で決めるのではなく、プログラマーなどが考える余地を与えてみんなで話し合って企画書を完成させるためでした。そうすることでチームに一体感が生まれ、みんながいいゲームにしようと考える。それは今後自分がチームで制作する上でとても重要だと感じました。

最後に訪問したサイバードでは、誰がプレイするかを明確にするという話を聞きました。年齢、性別などのターゲット層を明確にすることによってゲームの世界観やコンセプトがはっきりし、ゲームがぶれないということでした。

CEDECの講演では、エンジニアリングとゲームデザインのセッションを中心に参加しました。どのセッションも最高のゲームを作るためにプロとして妥協しなかったゆえの技術や考え方で、どれも刺激的で魅力的なものばかりでした。

また部屋飲み、ランチミーティング、Developer’s Nightと実際にゲーム業界で働く人と話す機会が多かったのもスカラーシップでの参加ならではのものだったと思います。

部屋飲みやDeveloper’s Nightでは「面接では恋人を口説くように本心から話す」といったユニークな話から、ゲーム業界の裏の話、エンジニアとして働く上での本質的な話といった深い部分の話も聞くことができ、とても楽しく大きな刺激になりました。

ランチミーティングでは自分が作った作品についてフィードバックを直接頂き、ゲームのダメな部分だけではなく改善点も詳しく聞くことができました。そこで制作していた時に視野が狭くなっていたこと、ゲームを面白くする手段はまだたくさんあったことを再確認し、自分の至らなさやゲームを作るということの奥深さ、面白さを身に染みて感じました。

このように様々な経験や知識が得られた今回のスカラーシップで一番大切だと感じたことは、自分の中に何か一つ「こだわり」を持つことです。いろんなセンションを聞き様々な人と話した中で、多くの人が何かを追及しているか自分の中に強い芯をもっていました。それは自分にはないものですごく大切なものだと感じました。これからのゲーム制作や学びの中で、ここを頑張って作った、この知識はだれにも負けないなど誰かに胸を張って言えるこだわりを持てるように色々なことに挑戦していきたいです。

最後に、スカラーシップの運営に携わった小野さん、スタジオツアーで様々なお話をしてくださったポリゴンマジック、コロプラ、サイバードの皆様、ランチミーティングに来ていただいたメンターの皆様、本当にありがとうございました。そして、IGDAスカラーシップに参加する機会をくださいましたIGDA日本に心より感謝申し上げます。