CEDECスカラーシップレポート⑨ 吉村勇輝

和歌山大学システム工学部3年生の吉村勇輝と申します。プランナーを志しております。今回IGDAスカラーシップ生として、CEDECに参加させて頂きました。学生生活の中では触れることの出来ない貴重な体験をさせて頂きました。そして、ゲームの奥深さや技術に圧倒され、多くの刺激を得ることが出来ました。ここで一部だけでもまとめさせて頂きます。

今回のスカラーシップは1日目に東京都内でゲーム会社3社のスタジオツアー、2〜4日目はパシフィコ横浜でCEDEC2017に参加させていただきました。

まず、スタジオツアーでは午前中にジープラ様・サイバード様・Aiming様の3社を見学させていただきました。コンテンツを制作する上でターゲットを見据えて、そのターゲットに向けてデザインをすることの重要性を学ばせていただいたり、実際にサービスを運営する中で得られた体験をお聞かせていただいたり、ゲームデザイナーとして必要な視点及びそれを養うためのヒントを頂いたりしました。3社とも自ら制作をしている中では得られない知見を丁寧に順序だてて説明して下さり、わかりやすく、自分たちの中で今後にうまく活かしたいと強く感じました。

CEDECでは様々な公演を興味のある分野や、新たに知りたい分野でも大きな刺激を得ることが出来ました。タイムシフト視聴も含め全てに感想を綴りたいところですが、今回は下記に絞って感想を書かせていただきます。

  1. 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』におけるフィールドレベルデザイン〜ハイラルの大地ができるまで〜
  2. 高速「体験」を生み出すレベルデザイン 〜ソニックフォースの「セット」手法〜
  3. アイドルマスター シンデレラガールズ ビューイングレボリューション制作事例 〜理想的な開発環境とPhotoshopを駆使した効率的なUIデザインの手法〜

1では、オープンワールドの広大な世界をシームレスに地域を繋ぎ、どのような手法でステージがデザインされているのか、どのような手順で考えられているのかを詳しく知ることが出来ました。スムーズな開発を行うための環境構築を怠らないことも然ることながら、ユーザーの体験を自然に誘導し遊びを考え尽くしていることに驚愕しました。

2では、昔から馴染み深いソニックを実例に、レベルデザインを『分解』を軸に、ユーザーがテーマである「高速体験」を楽しく感じられるように何度も検証し、初見のプレイヤーに沿って、細かくステージをデザインしていることを知りました。僕達の開発ではやりごたえばかりを意識して難しいレベルデザインになりがちなので、本当に身になりました。

3では画面のGUIの細部のパーツから、画面の全体図、そして画面遷移をまとめたシートまで、無駄なくPhotoshop内で完結する画期的な事例の紹介で目からウロコの機能の活用方法でした。この手法は僕達の制作でも無駄を減らす方法として活用できる部分があると思いました。

また今回、CEDECの2日目のDevelopers’ Nightや、その後の懇親会に参加させていただきました。
そこには今まで夢に見ていた現場で活躍する多くのプロの方々とお話する機会を頂けて、業界の面白さや挑戦し続ける方々の姿を間近に感じることが出来、より一層精進してゲームを作ろうと感じるとともに、将来進みたい方面を見つめ直すことが出来ました。

この4日間で忘れようのない経験をさせて頂けたことに大変喜ばしく思います。本当に心の底から感謝致します。