「糖度」を意識、「キュン」のストックが重要〜「乙女ゲームのシナリオ勉強会。集え、乙女、その他」レポート

女性向け恋愛ゲーム「乙女ゲーム」が注目を浴びています。
男性にとってあまり馴染みがないゲームジャンルですが、コーエー(現コーテーテクモゲームス)から発売された「アンジェリーク」以降、今では一大ゲームジャンルとして認知されるほど成長を遂げています。

主人公の女性と、美形男性キャラクターの恋愛模様を描くことが多い本ジャンル。
しかし年代と共に、その趣味趣向が緩やかに変化してきました。

今回、NPO法人IGDA日本は6月25日と7月16日の二度にわたり、セミナー「乙女ゲームのシナリオ勉強会。集え、乙女、その他。」を開催しました。

講師に2006年に乙女ゲームシナリオライターとしてデビューし、過去10年間で関わった作品数が50本以上を数える泉りお氏(以下、泉氏)を迎え、「乙女ゲーム」シナリオ作成のノウハウを語って頂きました。

そもそも「乙女ゲーム」ってなぁに?

一般的にも認知され始めている「乙女ゲーム」。
しかし、はっきりとした定義付けができる人は少ないのではないでしょうか。
まず泉氏は、以下の様に「乙女ゲーム」を定義しました。

・女性を対象としたゲームである
名前の通り、対象は女性ユーザー。
女性と男性ではゲームに求めるものがそもそも違う。

・イケメン(魅力のある異性)がいること
女の子しか登場しないゲームは「乙女ゲーム」とは言わない。
また異性がいても、魅力がなければ女性ユーザーはそのキャラと、仲良くなりたいと思わない。
ルックス、性格的に、魅力のあるキャラが必須だといいます。

・主人公が女性である
ユーザーが操る主人公が女の子であること。
ユーザーは、自分が主人公だと思って、その世界に入り込みます。

なお、主人公が男性になると、ボーイズラブと呼ばれるジャンルになり、「乙女ゲーム」ではなくなります。
そこを混同すると嫌悪感を抱くユーザーが存在するため、注意が必要です。

・女性が「キュン」とする要素があること
特に恋愛に関して、女性がときめく「キュン」とする要素が必須だといいます。
「キュン」は女性ユーザーが乙女ゲームを遊ぶ主な動機づけとなります。

以上が、泉りお氏が定義する「乙女ゲーム」の必須要素になります。「キュン・萌え・恋愛がなければ、女性ユーザーは乙女ゲームを遊びたいとも思いません。」(泉氏)

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講師をつとめた泉りお氏