CEDEC2018スカラーシップ体験レポート⑦ 何兆祺

はじめまして、CEDEC2018スカラーシップに参加させていただきました、日本工学院八王子専門学校、ゲームクリエイター科四年制三年の何兆祺と申します。香港出身の留学生です。現在ゲームプログラミングの勉強を励みつつ、ゲーム業界を目指しております。

今回のスカラーシップに参加できて、大変貴重な経験ができました。この場を借りて、私の見聞をお話ししたいと思います。

CEDECの開催前日に、スタジオツアーが行われ、私たちはポリゴンマジック、コロプラ、サイバードの3社に足を運び、実際にゲーム業界に活躍しているクリエイター達から、ゲーム業界を目指すためのアドバイスを沢山頂きました。

ゲーム会社でアルバイト経験があるので、スタジオに入るのは初めてではありませんでしたが、ゲーム製作現場については、みんなパソコンに向かってコツコツ作業を進めるぐらいのイメージしか持っていませんでした。今回の見学で初めて最新のスタジオ風景を見せられ、まさに目から鱗が落ちるほどの体験でした。特にコロプラさんのスタジオには、作業スペースや会議室は勿論、社員用の休憩スペースもよく整備されていて、社員たちがより仕事しやすくための配慮が至る所まで感じられました。

3社のクリエイター達の話を伺って、ゲーム業界に限らないが、やはりコミュニケーション能力が大事だと改めて気付きました。就職するにあたって、是非とも自分のコミュ力を磨いておきたいです。

CEDEC開催中の3日間は基本自由行動でした。私は一応プログラマー志望ですが、プログラム以外のあらゆる分野にも興味あるので、とりあえず興味あるセクションに回ってきました。一番印象の残るセッションは、やはり任天堂の宮本茂さんの「どこから作ればいいんだろう?から10年」でしょう。10年ぶりにCEDECで講演を行うことになった
宮本さんは、10年前(2008年)での講演内容を振り返りつつ、ゲーム制作の現状および展望について話しました。

この10年間に、新しい技術が続々と出回って、それらを活用する新しい遊びが登場することに期待できる一方、ゲーム開発の規模もますます大きくなりました。開発期間も2年前後まで伸び、そこで「それだけ時間を掛けたのにゲームが面白くなかった」や「大規模開発中に本来の目的を見失った」などの課題が出来てしまった、と宮本さんは語りました。

なお、宮本さんの話によると、任天堂がスマートフォンゲーム事業に参入するにあたって、「お金を出していただくのはサービスや開発したデータに対してであり、パラメータやレア度を調整して価値をつり上げるのはやめよう」の方針を定めたとのことです。私はその話にかなり共感を覚えました。

お昼の時間はランチミーティングで、メンター役のクリエイターと交流する機会が設けられました。ここでまた普段聞けないような話を聞くことができて、とても有意義な時間を過ごせました。未だ進路に悩んでいますが、ここで色んな就職の選択肢を知ることができました。将来就職活動を行うとき、ここで得た情報は役に立つでしょう。

短い4日間でしたが、ゲーム業界についてまた理解を深めて、とても充実な時間でした。改めてスカラーシッププログラム主催のIGDA日本、CEDEC主催の一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会、ランチミーティングで話してくれた皆さん、そしてスタジオツアーを招待して頂いた企業の方々に感謝を申し上げます。