大阪電気通信大学 総合情報学部デジタルゲーム学科2年の和田昊大です。
この度、学内の学生とチームで制作した二人協力アクションゲーム『RescueSprinters』が、IGDA日本のスカラーシップに採択され、東京ゲームショウ2025にチームの代表として参加させていただきました。
出展作品について
本作は、燃え盛る暴走列車に消防車で並走しながら、消火と救助を行う二人協力型のアクションゲームです。
最大の特徴は、プレイヤーが「はしごの操作役」と「先端での放水・救助役」という異なる役割を担う点にあり、二人の息の合った連携がミッションクリアの鍵となります。さらに、はしごが列車に接触するとダメージを受けるため、状況に応じた修理も必要となり、限られた時間の中で的確な判断と協力が求められます。
東京ゲームショウ2025に出展してみて
IGDA日本のブースでは、私を含め7名のスカラー生が1時間交代で自身のゲームを展示しました。私の作品は初日だけで、周りのスカラー生を含め11名の方々に試遊していただくことができました。
今回の出展で最大の収穫は、プレイヤーの方々がゲームを遊ぶ様子をすぐ側で観察できたことです。本作は二人協力プレイが前提のため、初対面のプレイヤー同士がどのように連携し、ゲームのどこに面白さやストレスを感じるのかは、開発中のテストプレイだけでは把握しきれない部分でした。
実際にプレイしていただくことで、私たちが意図した面白さが伝わっているか、また、どこに改善点があるかを肌で感じることができ、今後の開発に繋がる大変貴重なフィードバックを得られました。
また、試遊してくださった方から直接、具体的な改善案をいただけたことも大きな収穫です。その中には、このゲームの課題として悩んでいた「難しすぎる」と感じる点を解決するような案も含まれており、今後の開発のヒントともなりました。
ゲーム内容に関する学びとは別に、ブースに掲示するポスターの「伝え方」の重要性も痛感しました。会期中、IGDAのスタッフの方から「ポスターを一見しただけでは、このゲームが二人協力プレイであることが分かりにくい」とのご指摘を受けました。ゲームの魅力を瞬時に伝え、足を止めてもらうためには、ポスターが来場者の第一印象に与える影響は極めて大きいと気づかされ、今回の反省点の一つだと感じました。
スカラーシップに参加してみて
今回のスカラーシップは、自身のゲームを展示するだけでなく、国内外から集まった他のスカラー生の作品に触れる機会にもなりました。
私は自分の展示時間外に、他のスカラー生の作品に触れました。日本の学生による作品には、自分では思いもよらないような斬新なギミックやアクションが盛り込まれており、その発想力に驚かされるばかりでした。また、海外の学生が制作した作品からは、日本人の制作したゲームとは違った世界観が広がっており、自分の視野を広げる大きな刺激となりました。また、同世代のスカラー生に自分のゲームをプレイしてもらった際に、「楽しい」や「面白い」と言ってもらえたことには非常に嬉しく感じ、今後の活動の自信にも繋がりました。
会場で得たこと
東京ゲームショウでは、学生の作品だけでなく、数多くのゲーム作品に触れることができました。私は会期中、インディーゲームのブースを多数試遊させていただき、ゲームの面白さというのを改めて感じることができました。特に「SELECTED INDIE 80」のブースでは、今までにないようなゲーム体験ができるゲームの展示があり、ゲーム制作をする上で新たな発見となりました。
まとめ
今回のスカラーシップでは、自分の作品に新たな課題や改善案を発見する機会となっただけでなく、他のスカラー生同士の交流や、東京ゲームショウに展示されている作品から今後のゲーム制作の視点を広げる、大変貴重な機会となりました。この素晴らしい経験を糧に、これからも自信を持ってゲーム制作に励んでいきたいと思います。