東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻2年のフーチーです。
今回はIGDA日本のTGS 2025スカラーシップに採択していただき、開発中の作品『DRIFTED ドリフテッド』を展示することになりました。
出展作品
今回展示する『DRIFTED ドリフテッド』は、紙飛行機を操作して廃墟の世界を冒険するプラットフォームアドベンチャーゲームです。
本作では、文字を一切使わない表現に挑戦し、言語や出身を問わず誰でも楽しめるゲーム世界を構築することを目指してきました。
TGS 2025での展示
『DRIFTED ドリフテッド』は開発を始めてから2年目の年末を迎えました。今夏には、ドイツのgamescomにて、VIPO(映像産業振興機構)が主催するジャパンパビリオンで展示されました。紙飛行機はgamescomとTGSそれぞれで約150kmを飛び(参考までに、成田空港から富士山までの直線距離は約157kmです)、多くの来場者に作品を体験していただきました。
TGS 2025では、『DRIFTED ドリフテッド』はIGDA日本を含め、計3ヶ所のブースで展示を行いました。自分のブースでも展示を行い、株式会社コナミデジタルエンタテインメント主催の「IGC学生選手権」コンテストで優秀賞を受賞し、コナミブースでの接客対応も担当しました。展示に向けて、パンフレットや5種類のポストカードなどの印刷物も準備しました。
『DRIFTED ドリフテッド』に加えて、もう一つの開発中タイトル『THE SCREEN』も、NHK主催の「神ゲー創造主エボリューション」コンテストのファイナリストとして展示することになりました。
『DRIFTED ドリフテッド』は日本に来てから制作を始めた作品です。制作当初は日本語にまだ慣れていなかったため、文字を使わなくても楽しめるゲームを目指し、サウンドデザイン・ビジュアルデザイン・レベルデザインにこだわって制作を進めました。
これまで日本と海外さまざまな展示会で多くのフィードバックをいただき、世界観に没入し物語を感じ取ってくださる方もいれば、チュートリアルや説明が十分でなかったためうまく体験できなかった方もいらっしゃいました。会場での試遊時間の制限も一因ですが、ゲーム冒頭の導入やメカニクスの改善は今後の重要な課題と考えています。
今年からは、出展用に紙飛行機の飛行履歴を記録できるビルドを作成しました。今後はその記録を分析・参考にしながら、より良いステージ構成とゲームデザインを目指して開発を進めていきます。
会場での交流
来日してから数年間は、最初は日本の開発者と交流する機会がなかなかありませんでしたが、言葉や文化に慣れてきたことで、今年はTGSを通じて多くの出会いがあり、自分にとって非常に貴重な経験となりました。
特に、IGDA日本の他のスカラー生や担当の方々との交流は、とても良い機会でした。コンテストやTGS 2025のその他のイベントでも、審査員の方々や他のクリエイターの方々とお話しする機会があり、とても嬉しく感じました。国や文化、年齢の異なる人々と交流できることこそ、このようなイベントの大きな価値だと感じています。
世界中の人々が、ゲームという共通の作品を通じてつながっていけると信じています。
これからも一緒に、より良いゲーム作品を創っていきましょう!