DiGRA JAPANアーカイブで講演記録を公開

日本デジタルゲーム学会(DiGRA JAPAN)は過去の講演、研究会の記録を公開する「DiGRA JAPANアーカイブ」の一環として、学会誌『デジタルゲーム学研究』に所収されている3件の講演記録を公開しました。

日本のゲーム業界の現状と展望
学会ファウンダーの馬場章氏と当時スクエニ社長でCESA会長だった和田洋一氏の対談。DiGRA JAPANはここから始まったと言っても過言ではないかもしれません。本対談が実施された2006年といえば、2005年に「グランド・セフト・オートIII」が神奈川県で有害図書に指定された記憶も生々しい一方で、まだUnityも日本では知られていませんでしたし、ソーシャルゲームも存在しなかった時代です。そんな中でゲームを幅広に捉えると共に、社会の中で一定の枠組みを与えていこうとする姿勢が感じられます。

高橋名人の目から見たファミコンブーム
ハドソンのキャラバンに関する全記録が掲載された資料的価値が高い内容。「スーパーマリオブラザーズ」の大ヒットもさることながら、初期ファミコンの牽引役として高橋名人そしてキャラバンがはたした役割がいかに大きかったかが見て取れます。実際、週刊誌やテレビをはじめ様々なメディアに登場した高橋名人は子供たちのスターであり、テレビゲームのアイコンですらありました。コミュニティマネジメントの重要性が叫ばれる中、学ぶべき点が多い講演録です。

「日本ビデオゲームの黎明」
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「スペースインベーダー」の西角友宏氏、「パックマン」の岩谷徹氏、初期ナムコゲームの基板・回路設計に携わった石村繁一氏が登壇し、司会は「ゼビウス」の遠藤雅伸氏と、日本ビデオゲーム業界の神様が集結して、ビデオゲーム前のエレメカについて語るという本学会ならではの内容。エレメカからビデオゲームに至るミッシングリングがつまびらかにされます。日本のビデオゲームの開発ノウハウがエレメカで蓄積されてきたことが良くわかる内容です。