CEDEC2022スカラーシップ体験レポート④崔氾喆

現在、総合学園ヒューマンアカデミー大宮校ゲームカレッジのプランナー専攻一年に所属しています崔氾喆です。今回CEDEC2022に参加して、自分が感じたことをこの場を借りて、共有させて頂きたいと思います。まず、CEDECとは何かという人がいると思いますが、CEDECとは一言で表すと「ゲーム開発者向けの講演会」です。ゲームに限らず様々な会社の方が、ゲーム開発に関する知識や技術、経験を、講演を通して共有するというものになります。様々な職種に向けた講演があるので、ゲーム業界を目指す全ての人は見るべき内容だと思います。また、講演者とZoomを用いてコミュニケーションを取ることが出来るので、受動的な体験も出来る貴重なイベントになっています。ここからは、様々な講演の中で自分が特に心に残ったものについて感想を述べていきたいと思います。

一つ目は「チームの創造性を最大化する問いと遊びの技術」です。最近の社会問題になっている「お通や会議」がなぜ起こってしまうのか、どうすれば意見が飛び交う会議になるのかわかりやすくその手法について言語化されており、ためになる話でした。これは、どの業種にもつながる話ではありますが、ゲーム開発において特に重要な部分だと講演を聞いて思いました。考えや他人のイメージの固定化、衝動の枯渇、目的の形骸化が、この原因だと話されており、解決策として、「こだわり」と「とらわれ」の基本サイクルを回すことだという話を聞きました。自分の中のこだわりが何なのか考え抜き、それが本当に正しいのか疑うというサイクルを回すことで、物事の本質をとらえることができるとのことでした。現在私が学校で行っているゲーム制作にも個人的な活動にも活かせる有意義な内容でした。

二つ目は、「自社パブリッシングゲームを作るだけじゃダメだった…」です。理由はシンプルですが、「ゲームは作るだけじゃ終わらない」ということを知れたからです。ゲーム会社はゲームを作るだけじゃなく、それを世界中に売らなければなりません。その際、様々な観点を考慮しなければならないことを知りました。例えば、ゲーム内のキャラやデザインが論理的問題に引っかかってないか世界中の論理感を調査して、修正を行ったそうです。また、発売に伴い、各国での販売価格を自動計算に任してしまうと一部の国で予想外の価格になってしまうなど、ゲームを売るにしても、専門に対応する人が必要なほど大変な作業であることを学びました。私の頭の中には「面白いものを作る」ということにしか重点が置かれてなく、そのあとの事は深く考えていなかったため、このような実践的な現場の話を聞けてゲーム業界への理解度が深まりました。他にも素晴らしい講演が多くあり、講演を通して、自分の視野が大きく広がったのを感じました。

また、今回は講演だけではなく、CEDECの後に各自オンライン上で集まるアフターミーティングが三日間行われ、スカラーシップ生同士で話をしたり、ゲーム業界の方のお話を聞けたりしました。私は、自分の課題として他人の意見を尊重しすぎる部分があると考え、それについて質問を行い多くのアドバイスを頂くことが出来ました。アフターミーティングに参加する前に、自分の中で答えが出てない問題や課題について質問を考えとくと有意義な時間になると思いました。 CEDEC2022に参加して、自分に足りていない部分やそもそも見えていなかった観点があり、たくさんの学びを得る3日間になりました。ゲーム業界への理解を深めたい、どんな技術が求められているのか知りたいという方がいましたら、是非参加してみてください。

最後に、今回のCEDECスカラーシップ参加にあたって、IGDA日本の皆様方、スカラーシップ参加メンバー方、オンラインでの交流に参加して下さったゲーム会社の方々、貴重な体験をさせて頂き、誠にありがとうございました。