CEDEC 2025 スカラーシップ体験レポート⑦大瀧佳実 

私はこれまでCEDECというイベントを知りませんでしたが、スカラーシップに応募したことをきっかけに初めてその存在を知り、ご縁あって参加することができました。

実際に会場を訪れてみると、そこはまるでお祭りのような熱気に包まれており、数多くのゲーム会社や関連ツールのブースが並び、同時に多彩なセッションが開催されていました。

特に印象に残ったのは、「ゲーム開発者が知るべき豆知識ではない心理学」のセッション、インディーゲーム『都市伝説解体センター』や『ドキドキAI尋問ゲーム』の開発者によるセッション、そして以前から好きだった『428』のゲームデザイナーによる、アドベンチャーゲームについてのセッションです。どの講演も、ゲーム製作者としても一人のゲームファンとしても、多くの知見や刺激を得られるものでした。

スカラーシップ初日「セッションを見ること以上に、人との交流が大事」という説明がありました。その言葉の意味を本当に実感したのは、2日目の交流会「デベロッパナイト」です。最初は一人で会場を歩き回っていましたが、ある企業の方が大学のつながりから、親切にさまざまな方を紹介してくださいました。そのおかげで多くの方と名刺交換できました。昼間に講演を聞いた『都市伝説解体センター』の開発者とも直接お話しでき、さらに業界の方々とも交流することができました。

セッションで得た情報は一方向的でしたが、対話を通じて裏話や個人的な思いを伺うことで、より深く理解できました。そして、私がこれまで当たり前のように触れてきたゲーム作品やゲームエンジンの裏側には、それらを支える熱意ある人々がいるのだと強く実感しました。

これまで私は、ゲームに限らず作品を自分のために作ってきました。しかし今回の経験を通して、いつか自分も、こうした方々と対等に語り合える存在になりたいという思いが、より一層強くなりました。今回得た出会いや学びを、現在のゲーム制作に活かし、プレイヤーに楽しい体験を届けられるよう、これからも全力を尽くしていきたいと思います。