TGSスカラーシップ2019体験レポート④ Joseph Charles

私はJoseph Charlesです。南カリフォルニア大学の2年生で、データサイエンスを専攻しています。光栄なことにIGDA日本から東京ゲームショウ2019のスカラーシップに選出され、自主制作ゲーム「TRI-GER」をデモする機会も与えられました。日本への旅行はこれが初めてで、日本語もできませんでしたが、メンターの小野憲史さんと、同じスカラーだった友人のKai Nyameが通訳や、東京で訪れるべき場所の情報を教えてくれました。英語で会話できるローカライズのイベントに招待もしてくれました。。

スタジオツアー

日本でゲーム開発のキャリアをつむことに興味がある人なら誰にでも、スタジオツアーはさまざまな会社の情報を知ったり、雰囲気を感じたりするうえで、かけがえのない機会を与えてくれました。どのスタジオでも我々は歓迎され、そこで働く人々と交流することができ、たいへん興奮しました。日本の採用プロセスは西欧のものとは大きく異なっているため、そうした話を聞くのも、大変興味深いものでした。IGDA日本はまた、大変親切なことに、無料の昼食を提供してくれました。業界で実際に働いている人々と、昼食をとりながら交流することもできました。

東京ゲームショウ

初来日である私にとって、東京ゲームショウも初めての経験でした。実際、私がこのイベントについて知ったのは、Kai Nyameがスカラーシップについて話してくれた時でした! 大勢のゲーム開発者が自分たちのゲームを展示したり、遊んでいたりする光景を見るのは、たいへん貴重な経験でした。中でも心ひかれたタイトルは「Stone Story RPG」でした。というのも、数年前から個人的にチェックしていたインディゲームだったからです。このゲームが会場で遊べるのを見て、このゲームは西欧のインディゲームの文脈のもとに作られていると思っていたため、とても驚きました。ユニークなグラフィックスタイルに魅了されましたが、日本のゲームとは違った文脈やノスタルジーから生み出されたタイトルだと思っていたので、不思議な印象を受けました。東京ゲームショウの初日にこのゲームを見た後で、翌日に開催された「センスオブワンダーナイト」で再び見ることができました。その上、このゲームが最優秀賞を受賞したことで、より深い感動を得ました。この旅行をするまで、私はビデオゲームをとりまく文化と歴史の普遍性について、まったく考慮したことがありませんでした。そのため、この体験によって私の視点は大きく変化しました。

東京ゲームショウのように大きなイベントで「TRI-GER」をデモすることは、とても緊張しましたが、おかげで大変良い経験になりました。このような大規模なイベントで業界の専門家に自分のゲームを紹介できたことは、社交性やコミュニケーションスキルを向上させる素晴らしい方法で、非常に興味深い人々から多くの名刺を手に入れることができました! これに加えて、他のスカラーの作品を見ることができたのも信じられないほど刺激的でした。彼らが紹介してくれた、聡明な学生グループと関わりを持てたことにも、とても感謝しています。

IGDA日本の皆さんは、さまざまなサポートに加えて、英語を話すゲーム開発者との交流機会も用意してくれました。彼らとの会話を通して、日本の開発者が外国人のエンジニアに期待していることや、日本と米国の企業の違いについて素晴らしい洞察が得られました。エンジニアは日本語のコミュニケーションスキルがそこまで完璧に求められるわけではないと聞いて、とても安心しました! 自分の語学力をネイティブスピーカーに匹敵するまで上達させることは難しいので、日本でのキャリアを追求する自信が増しました。メンターの1人であるキース・ヘイワードは、エンジニアはすべてのゲームプログラミングについて一通りの知識を持っていることが期待され、会社で特定の領域を割り当てられることはなかったと説明しました。これは、私が米国のテクノロジー業界で経験したこととは非常に異なっていました。ほとんどの場合、エンジニアは特定の専門領域(IT、グラフィックプログラミングなど)で仕事をし、それから逸脱することはほとんどありません。この情報をもとに、自分のスキルをさらに磨き、より競争力のある求職者になりたいと思っています。

東京での経験

これまでアメリカから離れたことがなかったので、東京への旅行によって、生活のペースが大きく変化しました。最初にしたことの一つは秋葉原を訪れたことでした。ゲームセンターがあり、テクノロジー関連のショッピングにも最適だと聞いたからです。米国では大型のゲームセンターはまれで、実店舗で電子機器を販売している企業もわずかです。多種多様な電気店と巨大で複数階にわたるゲームセンターを見て回るのは、とてもエキサイティングでした。すべてのクレーンゲーム機と、販売されているさまざまな製品を見るだけで、何時間も費やしました。私の夢は「TRI-GER」を日本のゲームセンターに卸すことです。できればいつか秋葉原に戻り、ゲームをプレイしてもらえるようになりたいです。

総じて、この旅行は素晴らしい機会であり、日本のゲーム業界で働くことに対して、大きな希望となりました。今後もIGDA日本と仕事をしていきたいと思います。そしてスカラーのみんなと、素晴らしいメンターであった小野憲史に感謝します!