TGSスカラーシップ体験レポート⑨ 大橋侑生

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アーツカレッジヨコハマゲームクリエイター学科プログラマーコース1年の大橋侑生です。将来は家庭用ゲーム業界を目指しています。
このレポートでは今回参加したTGS2018スカラーシップにおいて体験したことまたはそれについて自分の感じたことを記述したいと思います。
概ね時系列に従って記述しますが自由時間中に行ったブース見学の感想は最後にまとめています。

初日の企業訪問ではグリー様、あまた様、ビサイド様の職場見学および実際にゲーム業界で活躍していらっしゃる先輩方に質問をする機会を設けて頂きました。どの企業さまも労働環境に気を使っていらっしゃるようで、自分が想像していたものとはまるで違い大変驚きました。
自分は労働環境や職場の雰囲気をあまり気にしませんが、そういった環境整備が仕事の質を高めるという考え方には大変賛成です。
また業界の方とお話しすることにより、自分がどのような会社に向いているのかという問題について、ある程度指針のようなものも、おぼろげながら芽生えました。
長い時間をかけてひとつのゲームを制作する会社がいいのか? そうではなく相対的に短期間ながら多くのゲーム開発に係れる会社がいいのか? ということについてはTGS中ずっと考えていましたが、暫定的ながら自分なりの答えは出せたように思えます。

二日目からいよいよTGSに参加しました。まず初めに基調講演を聞きました。テーマは「eスポーツが”スポーツ”として広がるためのロードマップ」でした。どの登壇者の方も草の根からeSportsを盛り上げるということを何度もおっしゃられていました。ファン数の増加や選手の育成、それらの選手またはファンが
交流したり切磋琢磨したりする環境の整備と課題は多いようですが、ゲーム業界を志す学生としてはそういった人的なものに対する方策よりも、当のeSportsの題材となるゲームについての課題と解決策を、もっと聞きたかったです。格闘ゲームやスポーツゲームについての開発ノウハウのある企業は日本にもあります。とくに格闘ゲームは独歩的だといってもいいでしょう。しかし世界的なeSportsの主流であるシューターはどうでしょうか? MOBAはどうでしょうか?こういったジャンルにおけるゲームの開発ノウハウを持つ企業は日本にはほとんどないと思います。こういったジャンルのゲームをどのように開発するのか? あるいはしないで海外のゲーム会社にきっぱりまかせるのか? このeSportsにおけるゲームジャンルの多様性をどのように整備するのかということも、課題の一つとして残っていると思います。
おもしろく、競技性のあるゲームがあってはじめてファンと選手が生まれかつ増えるのであって、その逆ではないからです。

基調講演のあと午後は自由時間をはさみ、ゲーム大賞年間作品部門および経済産業大臣賞の発表授賞式に参加しました。
大賞を受賞した「モンスターハンター」や「ポケモン」「フォートナイト」「マリオオデッセイ」「ドラゴンクエスト」など、予想通りあるいは納得の受賞結果でした。さまざまな受賞作品のなかでとくに興味をもったのがゲームデザイナーズ大賞を受賞した「Gorogoa」です。美しいアートスタイルやなぞめいたストーリー、独創的なパズルなどとても楽しそうだったので、家に帰ってすぐダウンロードしました。

三日目は最初から最後まで自由時間でした。閉館したのちセンスオブワンダーナイトというインディーゲームの制作者がプレゼンテーションをし、観客が驚きを感じたときにスマイルハンマー(振ると奇妙な音が出る)を振って応答するというイベントに参加しました。
BestAudience Awardを獲得した「RPGタイム!~ライトの伝説~」は製作者二人で6年かけて制作したそうですが、そのこだわりの強さに自分との差を感じめまいがしました。すばらしい発想とアートスタイルの本作ですが、まだ実際に遊んでいないのでゲームシステムの細部についてはわかりません。発売が来年の夏予定ということなので楽しみにしております。
センスオブワンダーナイトは国籍、立場、人気度、完成品かどうかに関係なくとにかく新鮮な驚きを備えたゲームを評価するという単純で、陽気で、どことなく温かさを感じるイベントでした。TGS2018スカラーシップで体験したことのなかでもっとも素晴らしかった思い出です。

最終日にはゲーム大賞アマチュア部門の発表授賞式に参加しました。同じくゲーム業界を目指す学生たちの作品を見て、その完成度の高さに驚きつつも、その場で感じたことを来年の自分たちのゲーム制作に生かそうと思います。自分はプログラマー専攻ですがゲームデザインにも興味があります。しかしいまはプログラミングの勉強で手一杯なのでゲームデザインについてはまったくの手付かずなのですが・・・・

自由時間で行ったブース見学は、最新のゲームを試遊することよりも試遊する人の反応、マーケティング方法、インディーゲームおよび学生作品、最新の流行について、特に注意していました。自分の興味のなかった分野(Vtuber、ゲーム実況者、プロゲームプレイヤー、コスプレイヤーなど)が意外に大きな存在感と集客力をもっていることに驚きましたし、おもしろい宣伝方法(エナジードリンク・モンスターの無料配布、ガチャ一回無料券)などいろいろ参考になりました。
また今回のTGSは「KingdomHearts3」「DevilMayCry5」「ResidentEvil2」「sekiro shadows die twice」など、海外に多くのファンを持つゲームが出展されたとあって、外国のかたも多く見受けられました。こういった海外にファンをもつ企業は、業界を目指す学生から見ても魅力があります。

以上で4日間のTGSスカラーシップ2018で自分の体験したことと感じたことについての報告を終わりにしたいと思います。
最後に今回のような貴重な体験をする機会を下さったIGDA日本の皆様、今回の活動に同席したメンバー、TGSスカラーシップ中に数々の質問に答えってくださった業界の先輩方、そしてTGSスカラーシップに推薦してくださった先生に感謝の言葉を述べさせていただきます。本当にありがとうございました。