CEDECスカラーシップレポート⑥村岡咲希

CEDECスカラーシップに参加させて頂きました九州大学の村岡咲希です。プランナーを志望しています。CEDECスカラーシップでの4日間は毎日が新鮮で、濃密なものでした。

私はちょうどCEDECにまたがって1ヶ月ゲーム会社のインターンシップに参加していて、チームでゲーム制作を行っていたのですが、プランナーとして、またチームとして制作を行う中、感じること、悩むことがたくさんあったので、このタイミングでCEDECのスカラーシップに参加することができたのは本当に自分の中で大きかったと思います。

インターンシップとはいえ、プランナーとして制作に関っていた経験のおかげで、これまで知らなかったプランナーの仕事に対してイメージを持った状態で、CEDECでプロのプランナーの方による講演や、会話で貴重なお話を聞くことができ、実践的でよりリアルなお話を聞くことができたと思えます。チーム制作の経験のおかげで、膨大な作業量の必要ゲーム制作において、効率的な作業環境を作ることがより良いゲームを制作するためにいかに重要であるか理解することができていたので、作業用ツール、タスク管理に関するセッションも興味を持って聞くことができました。本当に良いタイミングで参加することができたと思っています。このような機会を頂けて感謝しています。

スタジオツアーで印象に残っているのは、サイバードさんのスマホゲームの運営についてのお話です。私はあまりスマホゲームはやらないので、スマホゲーム自体にも疎かったのですが、わかりやすく説明して頂き、どのように調査を行いながら運営されているのかよく理解することができました。ユーザーとより距離が近く、コンシューマゲーム制作とはまた違った面白味を感じることができるのだなと思いました。

CEDECでは、現在興味を持っているAIやAR、プランナー志望として聞いておきたいゲームデザインに関わるセッションを主に聞いていました。AI・人工知能についてはたくさんのセッションがあり、ゲーム業界においても注目されている分野であることがわかりました。

1日目の基調講演で、ソードアートオンラインと現実世界のVRについてのお話を聞くことができました。早くからVRのプロジェクトを進めていたバンダイナムコの方から、これからのVRはどうなって行くのか、という見解を聞くことができ、たいへん勉強になりました。私はARに関心を持っているのですが、ARは実際に体を動かさないといけないから嫌だ、という話があって、なるほど、そういう捉え方をするユーザーもいるのかと思ったのが印象に残っています。

ゲームデザインについては、任天堂によるフィールドデザインのセッションには、内容はもちろん、エンターテイメント性あふれるプレゼンの仕方にも圧倒されました。全く抜けのない緻密な論理の詰まったゲームデザインによって、面白いゲームが作られていることがよくわかりました。ゲームのフィールドに設置するポイントを、現実の地図を見比べながら、現実の距離感覚を元に、このポイントは現実でいうどんな建物と同じくらいの遭遇頻度にしたいか? というふうに考えているというには驚きました。

CEDECのスカラーシップでは、セッション以外にも、毎日のランチタイムや、デベロッパーズナイトにおいて、プロのクリエイターとより近い距離でお話を聞ける、というのがとても魅力的でした。どの方も真摯に質問を聞いてくださり、様々なアドバイスを聞くことができました。

昨年はCEDEC九州に参加したのですが、CEDECはさすが日本国内最大のゲーム技術交流会だけあって、名だたるゲーム会社のクリエイターの方たちがおられ、そんな方々とセッションが聞けるというだけでとても刺激になりました。また、スカラーシップの学生や、CEDECで会った同じ学生との交流でもやる気が高められました。東京の学生に負けないよう、福岡に戻ってもCEDECで学んだことを大事に頑張りたいと思います。