TGS 2025 スカラーシップ体験レポート④竹中 かほり

南カリフォルニア大学 映画芸術学部 インタラクティブメディア&ゲームズ学科 (University of Southern California, School of Cinematic Arts, Game Art B.F.A)4年の竹中しほりです。

東京ゲームショウ2025にIGDA日本のスカラーとして参加させていただきました。

作品について

私が今回展示していたのは去年制作した『[ ] (Void)』というゲームです。『Void』は3D探索型ゲームで、プレイヤーは白と黒の世界を旅しながら様々なクリーチャーと交流します。制作期間は約一年で、17人程で制作しました。私はリードアーティスト、リガー、3Dモデラーを担当しています。

現在Steamでのリリースを準備していますので、よければウィッシュリスト登録してください:

展示について

学校で毎年USC Games Expoという学生達がゲームを展示して、他の生徒だけでなく外部の方や企業が見てくれるイベントがあるのですが、去年5月にそこで『Void』を展示していたので、規模は違いますが他人に『Void』を遊んでもらったのは今回で二回目になります。

Expoの時からあまり調整する時間がなかったので、実際にプレイしてもらった時の感想は以前と似ていると感じました。目的のない探索ゲームなのでなにをすればいいかわからない、と言う方と、探索しているだけでも雰囲気が好きだと言ってくださる方と、割と極端にわかれているようでした。世界観にこだわっているのでデザイン面からそういった意見が出るのは想定内なのですが、操作説明の導入やクリーチャーとの交流など、全体的に「この世界のルール」をもっとスムーズに伝えることができたらもっと沢山の人に面白いと言ってもらえると思うので、そこを課題にこのゲームをより成長させていきたいです。試遊してもらっているのを見ていて、なんとなく進めているけど様々なコマンドにはなんの役割があるのかよくわからなさそうなプレイヤーが多かったです。

ポジティブな点としては、ステッカーやポストカードが沢山の人に遊んでもらうことに繋がったと思うので用意していてよかったと思います。あと、多くの方からキャラが可愛いといわれたり、10分のプレイ時間制限いっぱいに触れてもらえることが多かったので、そこはとてもうれしかったです。

他の人との交流

ずっとアメリカで暮らしていて日本の同年代のクリエイターと話す機会が少ないので、ほかのスカラーと話す機会はとてもいい経験でした。他の方はもっと少人数、または個人での制作をしていると聞いてすごいなと思ったのと、ここ数年は大人数での制作が多いので自分の意見やカラーをがっつり前に出せる少人数でのゲーム制作は少し恋しい気持ちもありました。また、展示をしていない時間にインディーズコーナーを見ていたのですが、様々な国から来ている人が沢山いて、文化は違くてもゲームを作ったり遊ぶことが楽しいというのは本当に共通しているんだなと改めて実感できました。

最後に

毎年オンラインで楽しんでいたTGSで自分が作ったゲームを展示できる日がくるとは夢にも思わなかったので、とても楽しくて良い体験でした。スカラーシップを提供していただいた上に4日間サポートしていただいたIGDA日本のみなさん、他のスカラー生、そして展示補佐として一緒に来てくださったり応援してくださったVoidのチームメンバー達、本当にありがとうございました。