TGSスカラーシップ体験レポート⑧ 安原千生

今回のTGSスカラーシップ2018にさせていただいた、
専門学校岡山情報ビジネス学院 ゲームクリエイター学科1年 安原千生と申します。
この体験レポートでは4日間あるTGSスカラーシップで私が体験して来た事を書いていきたいと思います。

一日目では、スタジオツアーを行いました。一社目はグリー株式会社様、二社目はあまた株式会社様、最後に株式会社ビサイド様に訪問させていただきました。
スタジオツアーでは最初に企業説明会がありその後で開発現場の見学や実際に働いているクリエイターの方々にポートフォリオを拝見していただきました。
ゲーム業界の方々と話しをさせて頂き、これから自分がやらなければならないことや今の自分に必要な技術などを教えて頂きとてもいい勉強になりました。
また、各社様の開発現場を見学させて頂いたので、会社の雰囲気や普段の仕事風景などを見させていただきそれぞれの会社の違いなどを見ることができ、自分がゲーム会社に就職したときの働きやすい職場環境を考えることができました。

二日目は、東京ゲームショウのビジネスデイでした。
最初にスカラーシップのグループで基調講演を聞きに行きました。この基調講演のテーマは「eスポーツ」でした。海外では広い範囲で認知されている「eスポーツ」を日本でどのようにしたら広められるのか。また、日本市場で「eスポーツ」を広めていくために何が必要で、「eスポーツ」を始める人が求めているものは何か。基調講演は主にこの二つの議題を軸に行われていきました。
私は、この基調講演を聴くまであまり興味を持たず「eスポーツ」をただの遊びとしか見ていませんでした。しかし近年では、「ストリートファイター」などのゲームでプロ同士が本気のぶつかり合いを繰り広げるような大きな大会が開かれ、「eスポーツ」がオリンピック種目になるかもしれない事を知ることができました。その実現のためにプロを育成するための施設を作る計画や、現実でサッカーなどが苦手な人でも「eスポーツ」を通してサッカーの技術を学ぶことができるなど、様々な取り組みがなされていることを知ることができ、私自身の「eスポーツ」に対する価値観は遊びではなく、競技としてみることができるようになっていました。

午後からは、日本ゲーム大賞の時間まで自由行動することになり、限られた時間の中で企業様の最新のゲームに少しだけ触れることができました。日本ゲーム大賞では、優秀賞と大賞が発表されました。そして「PUBG」と「フォートナイト」という、今話題のバトルロイヤルゲームが優秀賞をとっていたことが気になりました。この二つのゲームは二つともバトルロイヤルと呼ばれるジャンルなのに、二つともとても人気が高く、同じジャンルのゲームが優秀賞を受賞しており、何故だか不思議な気分になったこと覚えております。それぞれのプレイヤーはプロがいたり、あまりゲームをやらない人でも電車の中や休憩時間中になどに友達とわいわい楽しめるなど、共通している部分が多いことも気が付きました。

三日目は、ビジネスデイでこの日は17時まで自由行動をすることができました、この自由行動中に行ったことは三つほどあります。

一つ目は、TGSに出展されている「ゴッドイーター3」や「キングダムハーツ3」などの有名タイトルの試遊をしたことです。前作との比較や新要素などに触れることができ新しい技術を体験しました。
二つ目は、スクールコーナーに行き自分より上のデザイナーが描いた絵やポートフォリオを見ることができたことです。これにより、今回私が一日目に拝見していただいたポートフォリオの改善点などを学ぶことができました。また、私の先輩方も出展していましたので、本校のブースにも立ち寄り先輩達が制作したゲームを試遊して改めて先輩はやっぱり凄い人達ばかりだなと実感しました。
三つ目はインディーズゲームコーナーに行ったことです。個人製作や少人数でのゲーム作品でも流行りのゲームに引けを取らない素晴らしい作品がありました。
そして自由行動が終わるとセンスオブワンダーナイトに参加させていただきました。センスオブワンダーナイトのルールは発表された作品を見て私の中で何かが変わったと思ったら手に持っているスマイルハンマーを鳴らすというとてもシンプルなものでした。
発表された作品の中で私が一番すごいなと思ったのが、「BLOCK KING」と呼ばれるゲームです。理由はほかに発表されたゲームは実際にゲーム会社で働いている人が作っていましたが、こちらのゲームは学生作品だったところです。クオリティやアイデアもほかのゲームに負けておらず、こうした作品を学生が作っていることにすごくセンスオブワンダーを感じました。
センスオブワンダーナイトが終わった後は食事会が開かれて、そこで外国の方とも知り合うことができました。

四日目の最終日ではまずインディーズコーナーに行き、センスオブワンダーナイトで発表された作品の試遊をすると共に、ビジネスデイと一般公開日の違いを目の当たりにすることができました。そして、一般の人たちが何をしに来ているのか。また、どんなゲームを体験しに来たのかを知ることができました。
そして昨日知り合ったオーストラリアの企業のベンさんとティムさんが制作したVRゲームを体験しました。このゲームはVRは音楽ゲームで、ダンス要素もあり、遊ぶだけでなくエクササイズも兼ねられる、素晴らしいゲームでした。
この四日間を通して、本当にこのTGS2018スカラーシップ参加していてよかったなと思いました。たぶん私はこの活動に参加していなかったら、今回学んだことや身に着けるべき技術の存在に気付くのが遅れていき、どんどん周囲との力の差が開いて、自信を無くしていたと思います。
「eスポーツ」のことや、一般公開日とビジネスデイの違い、そして業界の人との会話で得た新しい技術の知識など、様々なアイデアをこの活動で得ることができました。
最後にIGDAの方々と今回貴重なお話をしていただいたクリエイターの方々、そしてこの活動を四日間共に過ごし違う価値観や考えを交換し合ったメンバーの方々に感謝の言葉を述べたいと思います。
本当に四日間ありがとうございました。