PS4とPS Vitaのマルチプラットフォーム展開(特に国内では多い事例ですよね)のみならず、そこにモバイルも加わりそうな昨今。こんな時に威力を発揮するのがSimplygon(シンプリゴン)です。ハイポリのCGモデルをボーンやマテリアル、アニメーション情報などまで、まとめて最適化処理してくれるミドルウェアで、原産地はスウェーデン。国内でも「ベヨネッタ2」をはじめ、採用事例が急増しています。
*参考記事
【CEDEC 2015】3Dアセットの自動最適化を図るミドルウェア、Simplygonの実力を間近でチェック
【CEDEC 2015】アセット最適化ミドルウェアを中核とした最新パイプラインとは? Simplygon × Telltale Gamesの事例に学ぶ
このミドルウェアが今回、インディ(独立系)ディベロッパーや教育機関、非営利団体むけに無償提供されることがあきらかになりました。同社ではこの決断にいたった背景として、リリース内で「VRやMRのイノベーションが急速に進展する中、3Dモデルの最適化技術がコンテンツ開発に際して大きな鍵を握っているため」とコメントしています。
一例を挙げればPCむけに開発された3Dアセットは重く、そのままではVRゲームに不向きです。そんな時でもSimplygonを使用すれば外見の劣化は最小限に、データ容量を軽くできます。アセットストアで購入したお気に入りのデータも、あっという間にVRコンテンツに流用可能。スペックの劣るGear VRやスマホVRむけコンテンツでも活用可能。こうしたシナリオに限らず、さまざまな活用法が考えられそうです。
実際に本リリースにおいて、VRでエベレスト登山を仮想体験する「EVEREST VR」をリリースしたSólfarでは、「一連のリアルタイム3D映像を利用して、山の象徴であるエベレストに登頂する、Everest VRの制作を可能にする上で、Simplygonの活用が鍵となりました。Simplygonを使用することにより、20億個のポリゴンから構成されたシーンを2500万個のポリゴンまで減らして5段階のLODデーターを作成し、自動で映像の最適化が行えたのです。それにより、PC やコンソール・プラットフォーム用のUnreal Engineで最高の映像を提供できただけでなく、オリジナル・データーへの忠実性を維持しながら、バーチャル・リアリティーに求められる極めて高いフレーム・レートを実現しました」と歓迎のコメントを寄せています。
SimplygonでCEOをつとめるMatt Connors氏も「バーチャルそして拡張現実は、多くの企業の注目の的です。ゲームだけではなく、小売、自動車、そして飛行機の分野においてもです(中略)。我々がデベロッパーに対等な開発環境を与えることで、業界の未来が変わると信じています。我々は、まもなくバーチャルの世界がリビングルームでも、小売店でもオフィスでも不可欠なものになると考えます」とコメントしています。
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古畑憲和(IGM 株式会社)