6-7月のオンラインゲームジャムの動向(非営利団体系)

世界中を襲ったパンデミックの第1波により,これまで各地で行われてきたゲーム開発イベントがオンラインのイベントに移行しています.オンラインでチームを結成してゲームを開発するこれらのイベントは,大きく分けて企業主催のものと非営利団体(NPO)主催のものがあり,今回はIGDA日本と親団体の国際NPOであるIGDA(国際ゲーム開発者協会)が行う6月の世界規模のイベントを紹介します.
国際イベントは登録の際にはGoogle翻訳を使うなどして英語の読み書きが必要ですが,日本語のメンター(指導者)がつけば開発は日本語で可能です.

(1) IGDA x Core Game Jam (開催中,6/21まで)
6月のIGDA告知ページ: https://igda.org/news-archive/ejam-for-students-igda-x-core-jam-referral-prizes/
 これは昨年に大型資金調達して話題になったMinticore Games(https://jp.techcrunch.com/2019/09/25/2019-09-24-stealth-startup-manticore-games-raises-30m-to-launch-a-game-making-platform-for-novices/)の無料ゲーム構築プラットフォーム『Core』 (https://www.gamespark.jp/article/2020/03/17/97566.html)で6月21日までにゲームを構築するゲームジャムで,希望するチームは賞金の出る審査を受けられます.チームは13才以上の1人から5人までです.

(2) eJam : IGDA’s Virtual Game Jam for Students (6月最後の週末)
 こちらはIGDA単独主催の国際オンラインゲームジャムです.ゲーム開発をしたい高校生大学生を支援するためのゲームジャムで,学生チームといっしょにンター(指導員)をつとめるゲーム開発者を募集中です.
スポンサーは上記Minticore Gamesに加え,『Outer Worlds』をCERO Zで発売したObsidan Entertainment, そしてUnityが名を連ねています.太平洋時間6月26日から28日まで(日本時間で27日土曜日早朝から29日月曜日早朝まで).ウェブサイトから,学生チームとメンター希望者(IGDA国際会員に限る)のどちらかで参加登録を受付中です.

(3) GGJ NEXT (7月下旬)
公式サイト: https://ggjnext.org/
GGJ NEXTはGlobal Game JamのU-18版です.GGJ NEXTはこれまで日本国内では釧路高専と秋葉原の専門学校で開催されています
https://mediag.bunka.go.jp/article/article-15369/
今年はオンラインで開催されることになり,そのために昨年から運営手法も変わっています.
まず,各地でゲームジャム会場を登録するのはこれまで通りですが,今年は各会場でオンライン教材を指定してチームを決めます.そして7月13日からDiscordを使ってオンライン学習を行い,7月20-24日の5日のGGJ NEXTウィークで,生徒がベテランのオンラインアドバイスを受けながらゲームを制作する支援を行います(https://ggjnext.org/run-an-online-jam/ ).
ただいま会場運営者とメンター(使える言語を2つ以内で登録できる)を募集中です.(私も日本語メンターで登録しました.担当する中高生チームにあわせて教材を選ぶ予定です.)

(4) 指導者向けオンライン講習会(デジタルからくり装置作りワークショップ)
 最後にIGDA日本のSIG-4NGが6/29, 7/04に開催するイベントを案内します(告知記事).これはゲームジャムではなく,ゲーム開発イベントの指導者をやってみたい方を対象にしたオンライン講習会です.
 プロと同じ道具を使って,会場に集まった小・中学生が一つのゲームを合作する,それをプロのゲーム開発者(各地の会場に足を運べる有志)が教える,という人気のワークショップのノウハウを広く共有します.
実際の様子は,2018年度の岡山県高梁会場の記事郡山会場の記事もご覧ください.