CEDEC2021スカラーシップ体験レポート③ 小川夏輝

東京工芸大学芸術学部ゲーム学科デザイン分野3年の小川夏輝です。

モーションデザイナーや3Dアニメーターの分野に興味を持っています。

はじめは、CEDECをかなりハードルの高いものと思っていたので、私のようなものが参加しても大丈夫だろうかと、正直不安でいっぱいでした。

しかし、前日の交流会で他のスカラー生の方とお話が出来たことで、期待でいっぱいになりました。

実際に始まると、オンラインなのにとても忙しい、けれど知らないことを多く吸収することができ、とても有意義な3日間を過ごすことが出来ました。

それらについて、特に印象に残ったセッションと全体的な感想をまとめていけたらと思います。

まず、モーション関連のセッションは優先的に拝聴したいと思っていました。

その中でも、「モーションアクターによる、より質の高い人の動きを表現するためのノウハウ共有」というセッションと「実在感溢れるキャラクターを目指して〜ワンダ、トリコで培った巨大キャラクターアニメーション5つの法則」というセッションが印象的でした。

モーションアクターさんのセッションは、説得力のある動きについての重要なポイントの解説と、実演を交えた講演でした。

5つのキーポイントがあり、どれも興味深かったですが、その中でも「切り返し」の解説は「即これで実践したい!」と思いました。解説と実演で終始「なるほど」で溢れていて、大変参考になりました。

また、体験会にも是非参加してみたいと思いました。

巨大キャラクターアニメーションについてのセッションでは、アニメーションの基本のことからお話していて、そこで物理法則→生物学的構造→演技というピラミッドがキャラクターアニメーションの基本だということを知りました。

普段私がキャラクターモーション制作をしている時のことを振り返ってみると、私はいつも「どんな動きがキャラらしさを表現できるか」「どんな動きにしたら感情や状況を伝えられるか」など、「演技」に関することばかりに引っ張られていたことに気づきました。

そのため、これから制作するアニメーションは、この2つのセッションで学んだことを活かし、魅力的なモーションを制作出来そうでワクワクしています。

また、巨大キャラクターのモーション作りにも興味が湧き、女の子のモーションばかりではなく、老若男女の様々なキャラクターモーションを制作していきたいなと思いました。

次に、「銃器と装備、戦術戦技を専門家の視点から解説」というセッションが興味深いことづくしで、とても面白い講演でした。

武器や装備は、活動場所や作戦、状況で適しているものが決まっていることを知りました。

中でも、映画などで銃口の扱い方や銃の構え方など正しく扱えていないものが多いという話が興味深かったです。アクションシーンでかっこよさを追求するにも、そのためにまずリアルを知っておくことが大切なのだと知りました。

この講演で学んだことはモーション制作以外にもイラストレーションやキャラクターデザインの際にも関わってくると思いました。

分野以外で印象的だったのが、「組織にいながら遊ぶように働くには」というセッションです。

タイトルが気になって覗いてみたのですが、「これ私のためのセッションかな?」と思うほど大切なお話をしていました。

突然ですが、私は自分のマイナス思考が悪いところで、嫌いな部分です。

この講演の中で、「ご機嫌は価値、不機嫌は罪」というお話をしていて、はっとしました。

しかもダークサイドの方がパワーが強いと聞いて、これは就職してチームで制作するにも、その他全てにおいて自分のマイナス思考をなんとかせねば、と思いました。

チーム制作をする上で周りに良い影響を与えられるように自分の意識を変えていきたいなと、大切なことに気づかせていただくきっかけとなった講演でした。

最後にセッション終了後の交流会では、実際に業界でデザイナーのお仕事をされている方や、同じ道を志すスカラー生の方とお話が出来ました。

似た悩みや志し、興味があることや、意外な発見など、普段なかなか話すチャンスがないようなことをたくさん話すことができ、とても良い機会でした。

CEDECを通して、普段通りに過ごしていたら得られなかったであろうものをたくさん得ることができ、非常に貴重な体験が出来ました。

ここで得たことをこれからに活かし、素晴らしいクリエイターになりたいです。