CEDEC 2023 スカラーシップ体験レポート⑤武田啓吾

自己紹介

IGDA JapanのCEDEC2023スカラーシップに参加させていただきました。東京工科大学メディア学部メディア学科3年の武田啓吾と申します。ゲームプランナーとゲームデザイナーを志望しており、現在は東京ゲームショウ出展に向けて「S/Rush」という三人称アクションゲームをUnityで開発しています。

CEDEC2023で得た学び

私はCEDECに参加するのは今回が初めてでしたが、多種多様なセッションを受けることができとても貴重な経験となりました。また、企画書コンテストであるPERACON2023に参加して339作品中113位をとることが出来ました。負けず嫌いの私からすると悔しすぎる結果なので、来年は更に上位を目指してまた参加したいと思います。

スカラーシップ生としてゲーム業界で活躍されている方々とお話しさせて頂けたことも非常に有意義な経験になりました。CEDECのセッション後に落ち着いて個別質問ができるAsk the speakerも利用して、色々な企業の方々に質問させていただけたことも勉強になることが多くありました。

今回のCEDECを受けるにあたって、私は「気になるセッションは全部見る!」ということを意識して自分の得意な分野不得意な分野など関係なくたくさん見まくりました。といいますか、現在(9/2)も作業の合間を使ってセッションのアーカイブを見まくっています。

私は普段のゲーム開発ではリーダー兼プロデューサーとして10人のチームを率いています。その中で直面していた制作フローの問題やゲーム内の演出の話などに関するセッションも多く行われていたので、すぐにでも共有していただいたノウハウを実践することもできました。

逆に、今の時点の私には難しいセッションもありました。技術的な話のセッションの中辛以上はどうしても難しいところもありました。ですが、こういった世界が自分の目指す道の先に広がっているということが分かり、とてもいい刺激になりました。

ここからは、各日程のセッションの中でも特に印象に残っているセッションについてのレポートを書いていきます。

1日目

『最新IPゲームタイトルにおけるキャラクターデザインとイラストづくり』

このセッションでは、私も日ごろから遊んでいるスマートフォン向けゲームの『コードギアス 反逆のルルーシュ ロストストーリーズ』で『コードギアス』という人気IPを使う際に気を付けていた点や、ファンの求める声をどのようにして集めていたかなどをお話ししていただきました。

毎日欠かさず遊んでいたゲームタイトルであったため、話の解像度がほかのセッションよりも高い状態で聞くことができました。

こういったIP作品で絶対に避けなくてはいけないことは「原作ファンを裏切る」ことであり、そうならないようにするためには原作をしっかり理解することはもちろんファンの目線に立つことが重要であると分かりました。キャラデザやキービジュの制作のために、ひたすら原作を模写したりファンアートを探してどんなところにファンが惹かれているかなどを研究したりなどをされているとのことで、このような製作陣の方々の努力のおかげで作品が生み出されていることを知り感動しました。自分も将来ゲーム業界に進むことができたならばこういったIP作品に関わることがあると思うので、その時にこのセッションを思い出したいと思います。

2日目

『プロジェクトだけでなく組織もアジャイルに ~課を越え相互理解から連携を強化する組織づくり~』

このセッションでは組織をアジャイルにしていった過程についての実体験をもとにどのようにするとスムーズに人間関係や組織作りができるかをお聞きすることができました。

私は現在10人のチームでのゲーム開発でリーダーと、学年全体をまとめる運営委員長という立場で奮闘しているため、自分が過去や現在進行形でぶつかっている課題の1つの回答というか道しるべになってくれるようなセッションでした。

会社でのゲーム開発がコロナウイルスによって強制的にリモートワークになり、「雑談」が減ってしまったことによる弊害を無くしていくために行った施策についてのお話がとても印象に残りました。学生のゲーム制作にも同じような問題はあると考えていて、雑談が少ないチームは細かい質問などのハードルが上がったり、お互いに意見を言うことを遠慮してしまったりしてしまうと思っていました。組織としてこれらの問題を意識的にも施策的にも改善することができたというノウハウを聞けたので、私のチームでもできる限りメンバーが話しやすい環境づくりを頑張って作っていこうと思います。

3日目

『『Hi-Fi RUSH』:チャイでもわかる「リズムアクション」ができるまで』

このセッションでは『Hi-Fi RUSH』というリズム×アクションゲームをうまくゲームに落とし込んだ流れについて解説していました。

『Hi-Fi RUSH』はリズムアクションというものを作るために、リズムを誰にでもわかるように表現するということが大きな課題でした。直感的な操作でリズムに乗って楽しいアクションができるというコンセプトを決めてそれを作りきることができたのは、この作品のディレクターのジョン・ジョハナスさんがとても信頼されていたということが大きかったのではないかと思っています。また、どんなに難しかったりめんどうくさかったりしても、最初に決めたリズムアクションというコンセプトから逃げなかったことが大きいと感じました。

ゲーム制作でコンセプトが軸としてぶれないということの大切さはこれまでの開発経験から痛いほど知っているので、私もジョン・ジョハナスのように強い情熱とぶれない軸を持ち続けられるようなリーダーになっていきたいと感じました。

CEDEC2023を終えて

これからゲーム業界に進もうと志している自分にとって今回のCEDECはいい経験になりました。業界のど真ん中でコンテンツのノウハウを浴びるように摂取できる場はほとんどないと思うので、大変貴重な経験ができたと思います。

PERACON2023の借りもあるので来年も絶対参加しようと思っています!次こそは現地で参加をしてより深くかかわっていきたいなと思っています!