CEDEC 2023 スカラーシップ体験レポート①張智孝

どうも、台湾の国立清華大学の新卒の張智孝です。情報工学を専攻しました。学校にいたころはゲーム開発サークルを創立して、授業を行いました。

本格的にゲーム制作を始めたのは二年前でした。昔からずっと海外や日本のゲーム業界の盛り上がっているところに憧れていました。海外や日本のゲームジャムに参加し続けて、いつかアメリカのGDCや日本のCEDECに参加できるようになりたいなーと思っていました。それでスカラーシップ生として今回のCEDECに参加しました。

まずは一日目、TECOPARKの「協力ゲーム『PICO PARK』でプレイヤーの”声”を生み出すために実践したこと」です。私はプログラマーを目指しながら、ゲームジャムの影響で何となくゲームデザインについての知識も勉強してきたから、『PICO PARK』のゲームデザインについても興味がありました。

『PICO PARK』のゲームデザインは思ったよりずっと斬新でした。従来のゲームデザインと違って、プレイヤーの「声を出すこと」を重視している考え方はすごく面白くて、自分の想像を超えた新たなゲームの作り方でした。たとえば、「裏切りを誘導するギミック」を置くことで、プレイヤーたちにふざけるチャンスを与えて、楽しい喧嘩の場面を生み出すことができるとか、「同時に特定のアクションを実行しないとクリアできないステージ」で、プレイヤーたちに合図をさせて、にぎやかなプレイ環境を自然に作れるなど、一見シンプルなデザインの裏側にこんなにも力を入れているのに感心しました。自分のゲーム制作にもこういう考え方を取り入れたいです。

あと、カプコンの「『ストリートファイター6』対戦を熱く盛り上げる自動実況機能の取り組み」も物凄く面白かったです。『スト6』は自動実況システムのおかげで、大会じゃなくても、見るだけで面白さを感じられるゲームになりましたので、こういう斬新なシステムの作り方についてすごく興味がありました。

特に面白かったのは、自動実況システムのプログラムの話です。このシステムは元々重すぎたけど、格闘ゲームによく使われている「ロールバック処理」による「実況が噓をつく可能性」を回避するための仕様変更によって、非同期処理または並行処理ができるようになり、処理落ちを回避することができました。つまり、「ゲームデザイン」と「ゲームプログラム」が絶妙に嚙み合ってたからこそできたシステムです。これこそが私がずっと求めていた「ゲームプログラマーの仕事」で、いつかこんなプログラマーになりたいですね。

二日目、ゲームフリークの「ポケモンの せかいを かけめぐる おと! おんきょうデザインで ひろがる ぼうけんの すがた!」では、ポケモンのサウンドチームが使ってた「PokeSynth」(Tsugi社のGameSynthのポケモン専用バージョン)のデモ動画を見れました。線を引くだけで、ピカチュウの鳴き声が色んな表情を表すバリエーションに変わって、しかも違和感はまったくなかったんです。自分はサウンドの技術に詳しくないので、まさかプロシージャルな音声合成はこういうこともできると思いませんでした。CEDECを通じて自分の詳しくない分野にアンテナを張られるのも、こういうコンファレンスのいいところですね。

そして、最終日、ヒストリアの「”ゲーム制作の趣味化”により業界課題へ挑む – ゲームメーカーズが生まれた理由」は私自身にめっちゃ刺さる話でした。私も大学で、ヒストリアの方々みたいに、何とか「ゲーム制作」という趣味を学生の間に広めたかったんです。それでゲーム開発サークルを創立しました。しかし、私はほぼ根性論で経営してたから、一年経ても目標にはまだ遠いです。その一方、ヒストリアの方々はちゃんとユーザー調査をして、しっかり計画を立てからゲームメーカーズというブランドを立ち上げたから、今では「ゲーム業界のCG WORLD」みたいな立ち位置を得られて、未来のゲームクリエイターたちに貴重な情報と質の高いチュートリアルを提供することができたんです。

正直ちょっと羨ましい気持ちもあります。台湾にもこういうメディアがいたら、制作に得意な若手ゲーム開発者もきっともっと増えるでしょう。

今回のCEDECは本当に人生が変わるレベルの体験でした。自分にはなかった考え方を知って、そして想像できなかったゲームの作り方を見れて、とても良かったです。今回の知見を今後のゲーム制作にも活かしたいです。そして、いつか日本で就職し、ゲーム開発者としての腕を磨いて、自分の力でCEDECの現地へ行ってみたいです。