CEDEC 2023 スカラーシップ体験レポート⑦國江貴之

今回、CEDEC2023スカラーシップに参加させていただいた東京国際工科専門職大学工科学部デジタルエンタテインメント学科ゲームプロデュースコース3年、國江貴之と申します。学校では主にゲームプログラミングに焦点を当て、C++やUnityを用いたゲーム開発に取り組んでいます。特にクライアントサイドの開発が多く、また、個人的にはShaderを用いたグラフィックやXR技術に興味を持っています。将来的には、人々を楽しませるコンテンツを創出するプログラマーとして活動したいと考えております。

この度はCEDECで初めての参加であり、3日間の日程の中で、合計で約20個のセッションを視聴しました。どのセッションも非常に面白く、多くのことを学べた3日間でした。特に印象に残ったセッションを3つご紹介いたします。

1つ目は、1日目に行われた「協力ゲーム『PICO PARK』でプレイヤーの“声”を生み出すために実践したこと」というセッションです。三宅俊輔様によるこの講演では、大人数で楽しめる協力ゲーム、PICO PARKの開発過程とその設計思想について詳述されました。特に19の工夫点が紹介され、そのすべてがプレイヤーの楽しさと盛り上がりを高める目的で設計されているとのことで、非常に参考になりました。この講演を通して、ゲームを制作する中でコンセプトを強化するようにギミックやステージ設計を行うことでさらにそのゲームが良くなり、面白くなるということを学びました。

2つ目は、2日目にMyDearest様が行った「圧倒的な没入体験を目指して。VRアドベンチャー『ディスクロニア:CA』の体験設計」についてのセッションです。VRゲームというのは既存のゲームと違い、カメラがユーザーの視点になるため既存のゲームのようなカメラワークやカメラを寄せることでその物事を目立たせるというようなテクニックが使えません。その中でMyDearest様がどのようにして目立たせたいオブジェクトにユーザーの目線が行くのかなどのユーザーの視点を強制的に動かすのではなく、自然にオブジェクトに注意が向き、ストーリーが進んでいくといった体験設計をされておりとても勉強になりました。そして、VRの最大の強みである没入感をどのように高めるのか、どうすればもっとユーザーがゲームの世界に没入するのかというお話をされており、私自身もVRを使ったコンテンツを制作してみようと思っていたためとても勉強になりました。

3つ目は3日目に江上弘幸様が講演されていた『幸せの見つけ方 – ゲームがウェルビーイングに与える影響から個人の環境・性質による違いまで』というセッションです。このセッションではゲームが人にどのような影響を与えるのかという研究について説明されていた内容でした。私はこの講演を聞く前まではとてもゲームが好きなのですが、世間一般的に言われているゲームは人に悪い影響を与える可能性があるという印象がありました。ですが、この講演では新しい切り口からの研究により、ゲームが実は人に良い影響も与える可能性があるとの説明があり、大変興味深かったです。

以上のように、数々の有益なセッションがあり、多くの知識と新しい考え方を得ることができました。しかし、一部のセッションでは自身の知識不足により、完全に内容を理解することができなかった点もありました。これからその点についても更なる学習を行い、理解を深めたいと考えています。

このスカラーシップを通じて、CEDECでの多くの学びを得ることができました。これからも継続的に学び自己成長に努めていき、世界の人々に楽しんでもらえるようなコンテンツを制作できるよう努力していきたいと思います。